この町で、畑の畝(うね)が増えました。
この畑では今までおばあちゃんが畝を1つ作って野菜を育てていました。
おばあちゃんは大学生が一緒に畑をやりたいと言うからと、畑の畝を1つ増やしました。それを見た近所の人は、おばあちゃんが畑を増やした理由を聞きにいきます。
「大学生の子が来るからね〜。今度一緒にやろうと思ったんだよ」
畑の畝が増えること。それは町の中では本当に小さな小さな変化です。
でも、おばあちゃんが町の外から来る大学生のためにと、自ら動いたこと。
それに釣られて近所の別のおばちゃんが話しかけたこと。
ここには、外から大学生が来なければ起きなかった変化があります。
小さなことかもしれないけど、こうやって徐々徐々に。
今あるものに、新しく外から来た価値観がじわり浸透していくこと。
そうして町の中に、新しい雰囲気や何か気運のようなものが生まれて来るのだと思います。それが僕は、まちづくりなのかなと思っています。
(文:小林敬志)
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