今年も広田町全地区を真っ赤な服を着たサンタさんが全世帯にプレゼントを配り歩く時期になりました。
毎年恒例になっている、高田とぼくらの未来開拓プロジェクト(通称たかぷろ)のサンタ企画です。
その町の案内人サンタに初期から関わっている方に話を聞きました。
名前は長野昭文さん。(写真左)
普段から、たくさんのSETの大学生の活動をサポートしてくれたり、相談に乗ってくれる、みんなにとても愛されている方。
2013年の一番最初に広田町にサンタが来た時や2014年のたかぷろサンタ企画が始動した時から今まで、ずっと関わってくれています。
当初は、小学生以下の子供たちに配っていたのを、2015年からは広田町全世帯に配るようになり、地元の家を案内していっしょに配る”大人サンタ”を毎年やっているベテランサンタさん。
昭文さんから見たサンタ企画
昭文さんに、サンタ企画をすることで町の中で変わったことはあるかを聞くと、
「住民は、最初の頃は『なんだ?』という反応だったが、今では『今年も来たなー』をいうような、すっかり町に浸透してきている」
とおっしゃいました。
わたしの地元では、全世帯にサンタさんがプレゼントを配ることなんて起きませんが、広田町ではそのイベント自体が生まれ、楽しみにしている町の人が増えているということに驚いてしまいます。
昭文さん曰く、普段の生活の中には、地元の中学・高校生と接する機会がほぼ0という広田町。
震災で広田町から中学校が無くなってしまい、全員町外の中学校にバス通学のため、昔は見慣れていた中学生が歩いている姿や遊んでいる姿も見れなくなってしまったそうです。
この冬の時期の、サンタ企画は、毎年地元の中高生とコミュニケーションをとる数少ない機会だ、とおっしゃっていました!
「地元の大人と子供を繋げているサンタ企画、すごい!」
そんな、昭文さんは、プレゼントを中高生・大学生と配り歩く際、
必ず中高生に家のドアを開けさせ、プレゼントを渡す役目を渡しているそう。
地元の中高生と町の方とのコミュニケーションをプレゼントの瞬間も生み出す工夫ですね。
昭文さん自身も、なかなか話せない中高生と歩きながら自己紹介をしたり、学校での様子を聞いたりしているそう。
外部の若者が地元の教育に携わるということ
昭文さんは、笑顔で
「戻れるなら、今の中学生になりたいな〜。羨ましいなぁ〜。」と語ります。
昔ならば、中高生が進路相談できるのは、学校の先生や親、おじいちゃんおばあちゃん、兄弟などの限られた人や、年代が離れた人しかいなかったと言います。
それが、今ではたかぷろのメンバーの関東在住の大学生や、東京出身の移住した若者が、陸前高田の中高生とたくさん交流し、大学生活の様子を聞けたり、進路についても話をすることができます。
そうすることで、中高生の将来の選択肢がぐんと広がったと言います。
「これからもずっと、広田町のサンタ企画は続いてほしい」
そう語ります。
住民、中高生、子どもたち、SETのメンバー、大学生みんなの笑顔を生み出すサンタ企画。
来年も再来年も、たくさんの人の想いがこもったプレゼントが、たくさんの人の笑顔につながりますように。
さいごに
今回お話を聞いた昭文さんは、毎年たくさんのSETメンバーと関わり、支え、見守ってくださいます。
そんな昭文さんから聞いた話はすごく考えさせられ、改めて、みんなの笑顔を作り出し、子供たちの未来をいっしょに広げるたかぷろの活動の素晴らしさと、
そして、昭文さんのような町の方の支えがなければ叶えられない現実もたくさんあるのだと実感しました。
昭文さん、お話していただきありがとうございました!これからもよろしくお願いします!
インタビュー・執筆者:はしかけメンバー 下平咲貴(しもちゃん)
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