広田町中沢浜地区の盆踊り。
東日本大震災で会場が流され、復興にいっぱいだったのだろうか、震災後はやらないことが当たり前になっていた。
しかし、そんな8年間の当たり前に変化が起きた。
去年から中沢浜で盆踊りが行われ、今年で2度目になるのだ。
これは中沢浜地区が開いたのではない。1人の女性が行った盆踊りである。
(写真:左が私、右がまさよさん)
その方は『まさよさん』近年、定年でお仕事をやめ、畑で野菜とたくさんのお花を育てる方。
きっかけは、93歳にもなるばあちゃんたちが、
「盆踊りあればいいのにねぇ。」
というなにげなく、でも切実な一言始まった。
盆踊りを自ら開いたことのないまさよさんは、
まず私たち大学生に、声をかけてくれた
「盆踊りやろうと思うの。手伝ってくれないかしら?」
そこから、まさよさんパワーで人を巻き込みながら、どんどん着実に進めていく。
チラシを作って、みんなに声をかけて、機材の準備をして、なにを踊るか考え、朝早くから近所のみんなと大学生たちと会場準備、カレーを近所の人と手分けをしながら、、、盆踊り当日
(写真:近所の人と朝から準備した盆踊り会場)
本番直前は大忙し!
普段から冗談で町に響く笑い声をあげるまさよさん、様々な準備、周りも見ながら、誰よりせかせかと動き回る。それはもうヘトヘト
そんなまさよさんをみて周りの人が声をかける。
「手伝うことあれば、やるよー!」
まさよさんの行動は人を動かす。
さあ、みんなで準備をして、ついに始まった盆踊り
「あんた〜久しぶりねぇ!」
地区が同じでも久しぶりに会う人町の人たち
「はじめまして、踊り上手ですね..!」
盆踊りに困惑しながらも町の方と楽しむ大学生
「いいよいいよ〜!楽しいねぇ」
椅子に座りながら掛け声かけ踊るおばあちゃん
あの、一声のおばあちゃんも嬉しそうな満面の笑みだった。
あたたかく楽しい、町がぽっと賑わった盆踊りとなった。
そして、まさよさんは、ほっとした顔になっていた。
盆踊りが終わり、一息したところで、まさよさんは私に言った。
『あんたたちがいるから、やろうと思ったのよ〜』
大学生の私たちが広田町中沢浜で、なにかをやっていることを知っていた。それこそ、大学生の私たちが、町の方を集めて盆踊りをやりたい。と話していた。
一緒にやるなら、やろうかと思っていたらしい。
(写真:盆踊り会場からの夕日)
私は胸が熱くなる嬉しさがもこみあげてきた。
まさよさんは、おばあちゃんたちに楽しんでほしい。
ただ、そんな気持ち。でも、
その背景には震災や、家族やこの町へ、たくさんの想いがあってここにいる。そして盆踊りをすることにした。
そんな、まさよさんが
私たちと関わり見守ってくれていたこと
私たちとなにかしようと思ったこと
私に司会をしてほしいと大切な役を頼んでくれたこと
このまさよさんにとって、町にとっても、大切な盆踊りを一緒に創らせてもらったことが
本当に嬉しく思いました。
カラっと笑って
「んまた、来年もよろしくねぇ〜!」
きっと、これからも、
私たち大学生にしかできないことがある。
(写真:尊敬するまさよさんが開会の言葉を語る姿)
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著者:廣瀬陽香(組織イノベーションプレイス、学生メンバー)
経歴:
CMSPスタッフ25期長洞地区
CMSPリーダー27,36,46期中沢浜地区
広田っ子遊びPJメンバー
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