みんなで、つくる

HAC Report

　アートキャンプは、作品を手順書通りに作るだけではありません。模様や、色の濃さ、貝殻の配置など・・・。作品の細部まで、つくり手みんなで手と頭を使って情熱を込めていきます。今回も、染め物の柄、貝殻や流木の配置、設置場所や、作品タイトルなどをみんなで決めました！

町の方と、つくる

HAC Report

　作品制作をしていると、「お～、なにやってんだ～？」と大工道具片手に軽トラでやってくるおじちゃんや、「あ～、そんな持ち方じゃだめよ。裁ちばさみはこうやって使わなきゃ。」と教えてくれるおばちゃんに出会います。そう、この町には暮らしに息づいた知恵としてのものづくりが溢れているのです。そんな町のおじちゃんおばちゃん達の知恵と手仕事に支えられて、作品は完成しました。

楽しく、つくる

HAC Report

　町の方と一緒に、楽しく作ることを、アトリエ”izm”では大切にしています。この日は、町の方と民泊で広田に滞在している関西生協の方々を交え、ハンカチを使った草木染めワークショップを行いました！模様が出来た時の感動はひとしお。「ものづくりって楽しい！」という気持ちをみんなで共有できた場になりました。

広田町のもので、つくる

HAC Report

　アトリエ”izm”の作品に使う素材は、町を回り、全て自分たちで調達します。流木を拾いに行ったり、町の方を訪ねておすそわけして頂いたり、町を歩いて染め物に使えそうな草花を探したり。五感を働かせて町を歩くところから、作品作りは始まっているのです。

気仙大工左官伝承館

HAC Report

感性を高めるフィールドワーク

　日本四大名工の一つと呼ばれる気仙大工。その技を後世に伝えるために建設された伝承館気仙大工左官伝承館。気仙造りの民家の細部に込められた、こだわりや願いにまつわるついてのお話を聞きました。

三陸館

HAC Report

感性を高めるフィールドワーク

広田町古民家美術館

　広田町出身の画家、畠山孝一さんの絵画を展示している三陸館も訪れました。実はこの美術館、町の方の「やりたい！」という声から始まった、古民家美術館なのです。（三陸館：https://set-hirota.com/Project/sanrikukan/）
　元漁師でもある孝一さんが描く様々な表情の岩の絵を見ていると、まるで波の音が聞こえてくるよう。穏やかな波、荒々しい波・・・。海とともに時を刻んだ岩の絵からは、大自然の荘厳さを感じました。孝一さんにもお会いし、「アートは自由なもんだ。」というメッセージを頂きました。

三陸館国立復興公園

HAC Report

感性を高めるフィールドワーク

　三陸国立復興公園は、三陸館の広田町出身の画家である畠山孝一さんが描く絵のモデルとなった地でもあります。岩に座っていると、波の音、鳥の声、潮風・・・、全身で海のエネルギーを感じる場所でした。

HAC Report

2017年 夏

第1回Hirota Art Campを開催しました！

　2017年8月28日（月）～9月4日（月）に第1回Hirota Art Campを開催しました！

　アート、デザインの視点から広田町の魅力や課題を捉え、町に伝わる技術を楽しく受け継ぎながら作品制作を行うキャンプを、１ターム一泊二日、計４ターム実施しました。 　都内の大学に通う大学生、社会人を中心とした10名が『つくり手』として『みなとの行く先』『かぜいろほ』の2作品を制作しました！

参加大学

青山学院大学教育人間学部、青山学院大学総合文化政策学部、 慶應義塾大学商学部、大正大学社会福祉学部、多摩美術大学美術学部、東海大学文学部、東京大学文学部、日本女子大学家政学部、法政大学社会学部、武蔵大学社会学部、早稲田大学基幹理工学部

かぜいろほ

2017年 夏

岩手県陸前高田市広田町中沢浜地区

広田の草木（玉ねぎの皮（黄）・桜の枝（桃）・赤しその葉（赤）・ぶどうの皮（紫）・よもぎの葉（緑））

洋裁店に勤めたおばあちゃんの反物（木綿）

漁師さんから頂いた漁網用の紐

広田の家の裏に必ずある竹

（作品解説：）

広田町の内に隠されたカラフルさと、外部の若者が継続的に訪れエネルギーに満ち溢れた町民と共に活動を続ける様を、風にはためく草木染めののれんで表した。広田の中でも一際強く風が吹く場所に立てられ、この町には風が吹き続ける、というメッセージを発し続けている。

みなとの行く先

2017年 夏

岩手県陸前高田市広田町泊地区

広田の浜に流れ着いた流木・廃材

漁師さんの貝殻（アワビ・ホタテ）

（作品解説：）

港が見える位置に置かれ「広田の玄関」として制作されたドア。表には漁に出かける漁師さんの凛とした姿と、広田の美しく雄大な海を想起させる装飾が施され、裏には対照的に、船の上から見える広田の陸をイメージし、岩肌のように松の皮を配置してある。海と陸、それぞれの広田の姿をかたどったこのドアは、この町がいつでも帰る場所であると物語っている。

山崎 風雅
Fuga Yamazaki

学生メンバーとして
CMSP、漁師町ダイアリー、花咲み日記など
多くの企画、運営を経験。

多くのプロジェクトを経験したからこそ
わかったことがある。

『自分の好きなことは、まずやってみる。』

広田で見つけた、私が好きなこと。

自分の好きなことで暮らしを彩る

#好きなことだからやってみよう

「やってみなきゃわからない。」

大切なのは、単純に自分の好きという気持ちとやりたいという気持ちに素直になること。CMSP、漁師町ダイアリーや花咲み日記も、そんな自分の気持ちの積み重ね。

SETでは、そんな自分の気持ちをカタチにすることで、広田の価値になっていくのが感じることができる。それが心地いい。

自分の中での、これだ！という気持ちに素直になること。メンバーと一緒にプロジェクトを本気で駆け抜けたこと。そうしてきたことで、やってないこと、知らないことが可能性だということに気づいた。

そんな原体験があるからこそ、自分が好きなこと、やりたいことには、とりあえず、足を突っ込んでいく。それはSETの中でも、外でも、同じこと。

#暮らしそのものを大切にする

生きる中で大切にしたいのは、自分の暮らし方(ライフスタイル)そのもの。広田の人が、生きることと働くことを分けていないように、漁に出たり野菜を作ったり、生活をする上で必要なことそのものが、暮らしになっていくような生き方。

働くための人生ではなく、暮らしの中に働くことが溶け込んでいるような生き方。自分にとってはそれが心地よい。

そんな生き方をしたいと思いつつも、今はまだ模索中。

吉田 勇佑
Yusuke Yoshida

株式会社CRAZY 採用責任者

震災時にSETを創設。
卒業後も社会人としての
キャリアを積み上げながら、
広田町に関わり続ける。

『命輝く場を、全ての人に』

学生時代に途上国支援を経験、
震災直後にSETを創設。

企業とNPOの組織運営を通じて、
命輝く社会をつくる。

仕事も遊びも、妻との時間も。

全て大切にしながら「広田町」に関わり続けたい。

#仕事に没頭した日々の先に見えた、新しい貢献の仕方

大学三年時の終わりから復興支援を通じて関わり始めた広田町。 活動を通じて、大好きになったこの町の未来を共につくる人で在りたい。 そんな想いから、卒業後も活動を決意。

しかし、自らの実力を磨くべく入社した企業で、仕事に日夜打ち込む日々を過ごす中で、SET活動に貢献出来ず、葛藤の日々が訪れる。

きっとこの仕事を積み重ねた先に、今までと違う貢献の仕方があるはず。そんな想いをいだき続けながら仕事に集中した。

震災から３年後、自身の結婚をキッカケに転職した㈱CRAZYでは、人事責任者としてこれからの時代に求められる事業、組織経営の在り方を模索しながら「命が輝く社会づくり」に取り組む。

これらの仕事の経験を活かす事が出来始めたのは、ここ2-3年。たくましく成長を続けるSETの若手メンバーと共に、大学生が自身のキャリアを考える「CAREER MAKERS DAY」の開催や、SET学生メンバーに感謝を伝える「卒業式」イベントを共催。最近では、メンバーのキャリア相談や理事長三井との未来会議も定期的に開催している。

#人としての成長機会をくれるのが、SETという場所

本業での人事としての教育や組織づくりの経験を活かし、学生メンバーとプロジェクトの伴走をすることで、人を育てていく。人を育てる領域から関わることで、仲間の成長を実現し、SETと広田に価値を残していく。

活動のプロセスで関わる学生メンバーや、広田町の方はもちろん、共に仕事にも打ち込む社会人メンバーなど、日頃の仕事だけでは関われない、多様な人と触れ合う事で「人間的な成長機会」がある事も大きな魅力であり喜び。

人生を、より豊かにしてくれてるのが、SETの存在そのもの。この場や活動を通じて、共に人として成長しながら、社会にGOODなCHANGEを起こし続けていきたい。

石渡 博之
Hiroyuki Ishiwata

学生時代はCMSPのリーダーとして奔走。
そして大学卒業と同時に広田町に移住を決意。
移住後は第一次産業に携わりながら、
SETの事業を任されている。

『がむしゃらに生ききる』

大学卒業後すぐに移住する、という選択。
それは、この町でがむしゃらに生ききること。

この町でがむしゃらに生ききる

#”今をがむしゃらに生ききる”ことの積み重ねを大切にしたい。

大学１年の３月から3年間、広田町に通い続け「Change Maker Study Program（以下CMSP)」に取り組んできた。

社会人になる際、とりあえず２年ほど東京で就職するという選択肢もある中、”もし今広田町に行かなかったら、あとで「何かできていたかも」と後悔するかもしれない”という気持ちから、大学卒業と同時に広田町に移住することを決断。

現在は東京のCMSP各期リーダーと連携しながら、同事業の責任者として活動中。

#困った時に頼れる人々がいる安心感のある移住生活。

SETの移住したメンバーとのシェアハウスでの生活は、お互いの仕事の話やくだらない話ができ、心が穏やかになれる空間。

おすそ分けの食材で調理したり、体調を崩した時にすぐに頼れる周りの人がいたりと、周囲の力で生活が保証されている安心感がある。自分次第で何でもできる町。今後は漁業に挑戦してみたいとも思う。

「田舎だからのんびり暮らしているんでしょ？」というと必ずしもそうではない。「田舎だから」という固定概念を壊し、色んな可能性を見出し、実現していきたいと思う。移住してから漁業のお手伝いをすることが多いが、これからも積極的に自分で体験してもっともっと知り、第一次産業を守り、盛り上げていきたい。

煙山 美帆
Miho Kemuyama

SET発足当時から広田町で活動。
広田で生きることを選び移住し、その後結婚。
今では二人の子供を育てる、二児の母。

『広田で生きる女性になりたい。』

その想いで移住を決意し、
広田町で子育てを選んだ。

まちのつながりが支える子育て

#一緒に生きている感覚がある

広田の人は、日が昇り、日が沈むのに合わせて、仕事をする。だから、広田に住む方は働くことの基準がほとんど一緒。

第一次産業の方もそれ以外の方も、自然と一緒に生活している。だから、一緒に生きていているなあ、という感覚がある。

都会では、生活のリズムや仕事のペースが様々だから、一緒に生きてる感覚を持つのは数少ない。でも、広田にいると50人くらいの人と一緒に生きてる感覚がある。

自分のやりたいこと、自分の好きなものを発信したいと思いメンバーと始めた、花咲み日記。花笑み日記をやる場所は、子供にとっては年の離れたお兄ちゃんお姉ちゃんと遊ぶ場所。

#”つながり”があるからできる、やりたいことと子育ての両立

一緒に生きている感覚があるからこそ、まちのつながりに助けられることは多いし、頼りたいなと思っている。

広田で暮らすおばあちゃんは、私にとってのおばあちゃんであり、友達でもある。SETのメンバーは子供にとってのお兄ちゃんお姉ちゃんであり、やりたいことを共感しあえるメンバーでもある。

SETには人に向き合う文化が根付いてるから、一緒に考えてくれる。だから、自分のやりたいことも子育ても、みんなと一緒にできる。

きっと子育ても、周りに頼らなくてもできるけど、広田のつながりを頼って、お世話になりたい。その方が子供も笑っていられるし、私も笑っていられると思うから。