

岩手県陸前高田市広田町
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岩手県陸前高田市広田町は、岩手県の最南東部に位置する人口2,995人(令和2年3月31日現在)の漁師町。陸前高田市は、東日本大震災の復興のシンボルである「奇跡の一本松」でも有名な市です。 太平沿いの暖かい気候に恵まれ、山々の鮮やかな緑と大海原の美しい青に囲まれたこの広田半島は、野菜などの農業に加え、ワカメやカキ、ウニ漁業といった第一次産業が昔から盛んな半農半漁の地域です。 1,055帯(令和2年3月31日現在)ある住まいの多くが丘の上に並んでおり、お家の窓からも豊かな自然を眺めることができます。 |
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町の伝統・文化
町には、昔から地元の方々に大切に受け継がれてきた伝統や文化が溢れています。
梯子虎舞(はしごとらまい)(正式名称:風流唐獅子曲乗之体(ふうりゅうからししきょくのりのたい)は、唐獅子の衣装に身を包んだ二人組が、地上20mもの高さの梯子の上で曲芸を披露する伝統で、地元のお祭りで披露されてきました。(下写真・農林水産省水産庁「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」・陸前高田市「無形民俗文化財」)
また、お茶っことおすそわけといった文化も大切にされています。ご近所付き合いが多く、仕事や家事の合間にお茶やコーヒー・お菓子を囲みながらおしゃべりする”お茶っこ”や、自分でとった野菜や魚などを贈り合う”おすそわけ“を通じて、温かい交流が日常でなされています。
町のインフラ・施設
広田町は陸前高田市の中心街から車で30分ほど移動した箇所に位置しています。公共交通機関は少なく、高低差のある地域ゆえ自転車移動もしにくいため、町内の移動手段は基本的に車になります。
そんな広田町で特に人気の施設が、半島の先端部に位置する黒崎仙峡温泉。熱い湯につかりながら三陸の巨大な岩と大海原の景色をゆっくり堪能することができ、地元民からも愛される町の交流の場の1つとなっています。県外から黒崎仙峡温泉を求めて広田町にくる人も。
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震災は、町の教育機関にも大きな影響を与えました。中学校は津波に流されてしまい、震災以降生徒さんたちは町外の中学校に通わざるを得ない状況となりました。現在教育施設として広田町にあるのは保育園と小学校のみとなっています。
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復興活動は、現在も続いており、少しずつ新しい道路が敷かれたり、かさ上げ地区に新居が建てられたりしています。
2017年には、広田町地区コミュニティセンターが新たに建て替えられました。コミュニティセンターは日々住民の方々の集いの場となっており、手芸教室や女性会といった集まりがある他、イベントもたくさん開催されています。
広田町地区コミュニティセンター
町の人
そうした産業、伝統・文化、インフラ・施設のある広田町ですが、町の魅力をつくっているのはそれだけではありません。あたたかく迎えてくださる人たちがたくさんいるのです。
「どうも~」の言葉で繋がるこの町には、ずっと変わらないステキな笑顔や思いやりが循環していて、「人と共に生きている」ということを改めて私たちに気づかせてくれます。
また、広田町には漁師さんや大工さんをはじめ、たくましい職人さんが多く、自分たちの仕事や暮らしに誇りをもって生きています。
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町の課題
「50年後、この町はなくなってしまうかもしれない。」
ある町の方がこう仰っていました。広田町は、将来的に日本が直面していく課題を先取りした課題先進地域でもあります。もともと震災前より存在していた少子高齢化や人口減少、後継者不足の問題などが、震災によって加速したのです。
しかし、これはネガティブなことだけではありません。人口が減るということは、この町に住んでいる一人ひとりの影響度が高まり、「でき
ること」が増えていくことでもあるからです。人口減少社会という前提にたてば、一人ひとりの役割が大きく、価値を出していける町でもあるのです。
SETメンバーの声
広田町の魅力は、温かさです。それには、土地の温かさと人の温かさがあります。
海、山、畑といった都会にはない豊かな自然に包まれると、気持ちが落ち着いて心が温かくなります。
また自分の子どものように私たちを受け入れてくれる町の方々からは、本当の優しさ、愛情を感じられます。
町へのアクセス
広田町までは陸前高田市市街地より車で30分。都内から陸前高田市までは、鉄道(東京・上野⇒一関⇒陸前高田市)、バス(池袋・仙台・盛岡・一関⇒陸前高田市)といった交通手段でアクセスできます。
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